血液をサラサラ状態にすることの大切さ

私は85歳の男性です。

血管には色々な種類があるが、人間にとって最も大事なのは毛細血管である。私たちの全身には60兆個もの細胞がちりばめられているが、これらの1つ1つの細胞に対して絶えず酸素と栄養分とを送り届けねばならない。そのために地球の2周半分に当たる10万キロメートルもの毛細血管が全身に張り巡らされているのである。

もっともそれらの毛細血管の中で常時動いているのはせいぜい3分の1であり、残りの大部分の毛細血管は非常事態用にじっと待機している。

この毛細血管の中を赤血球と白血球が変形しながら進んでいくが、①赤血球の変形能が低下したり②白血球の粘着能が高まったり③血小板の凝縮能が高まるようなことになると、血液は毛細管を円滑に流れなくなってしまう。

このような状態になってしまった血液を「ドロドロ状態の血液」と呼んでいる。

毛細血管内で血流が低下しだすと組織の代謝が次第に滞るようになり、体調不良や不定愁訴を引き起こすが、この段階がさらに進むと生活習慣病にたどり着く。

高血圧も血液の循環の悪さに起因している。

血液の量は体重の約8%であり、体重60キロなら4.8リットルとなる。脈拍は毎分約70回なので1日かけて10万800回も脈打っており、1分間に約5リットル、1日には約7,200リットル(一升瓶で4,000本弱)もの血液が全身を駆け巡っているのである。

また、血液は全身を約1分間で一回りするから、1日では1,440回も回っている。健康な状態を保つためには、毎日このような理想的な血流を順調に繰り返すことが大前提になっている。それだけに、毛細血管の中を血液がスムーズに流れないようになれば、体のあちこちで変調が起き、ひどい場合には命を落としてしまうことすらある。

ところで、細胞の内部の3分の2は細胞内液、外部の3分の1には細胞外液があり、細胞外液の中の4分の1は血漿である。血液は勢いよく流れ、体液はゆっくりと細胞のまわりを回り、エネルギーと物質を交換している。心臓から血液が送り出される大動脈の直径は3センチであり、これから直径1センチから5ミリの動脈が枝分かれして各臓器に向かっている。

しかし、これらすべてみな毛細血管へと送り込む配管にしかすぎず、細胞に必要な血液を送り届ける役割を担っている主役は毛細血管である。その数は、加齢とともに着実に減少していく。つまり「老化」と「毛細血管の本数の減少」は完全に正比例している。

毛細血管の直径は約6μ(マイクロ)と髪の毛の20分の1以下しかないので肉眼では捕らえられない。この中を、赤血球は変形しながら通り抜けていく。白血球は赤血球よりも大きいために変形度が高いので血管との接触度合いが強く、そのため粘着能が高まれば毛細血管を通り抜けにくくなる。

また、血小板の大きさは2~3μなので、通常なら問題なく通るが、相互に凝縮しだすと毛細血管を詰まらせる。白血球の数は赤血球の500分の1から1000分の1でしかないが、体積は赤血球の3倍もある。また、核を持たない赤血球に対して、核を持っている白血球はもともと変形能が低く、白血球の毛細血管通過時間は赤血球の1000倍にもなる。

従って、この白血球の変形能が落ち込むようなことにでもなれば、血液はたちまち流れにくくなってしまうので注意が肝要である。

血液がドロドロになる主な原因は、①喫煙②運動不足③ストレス④過飲食⑤不規則な生活等々である。

血液が悪くなると全身に酸素が十分にいき渡らなくなり目がかすんで見えたり、物忘れが激しくなったりする。これは、目や脳は十分な酸素を必要としているからである。血管が詰まりかけると交感神経が活発に動き出し、心臓を強く打たせたり血管を奮い立たせたりして血管が詰まるのを懸命に防ぐ。

この結果、引き起こされるのが「入眠障害」や「早期覚醒不眠」である。つまり睡眠不足は血流の悪さを報わせてくれる危険信号なのであり、これをそのまま放置しておくと、やがてボケが始まる。

痴呆にはアルツハイマー型痴呆と脳血管性痴呆との2種類があるが、日本での痴呆患者の大部分は脳血管性痴呆である。従って、単なる不眠などとなめてかかっていたら大変なことになる。最悪の場合には命を落としてしまうだけに注意せねばならない。

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