意外と知られていない総務部人事課の仕事とは

総務部人事課ってどんな仕事をしているの?

面接

私は、40代の男性サラリーマンだ。
現在、1000名程度の従業員が在籍している某メーカーの総務部人事課で、課長職として勤務をしている。

入社して、もう20年以上経ったので、中々、実務を直接行う事は少なくなったが、今回は、どの会社にもあるが、中々、何をしているか知られていない、総務部人事課の仕事を紹介すると共に、その中で実際に経験して感じた事や本音についてをお教えしたい。

但し、すべての会社の総務部人事課が同じような事を行っているかは定かでないので、その点だけは、ご了承頂きたいと思う。

まず、当社では、人事的な側面としては、人事制度の改廃、人事・賞与考課、社内諸規定の整備、給与計算、社員の採用業務、総務的な側面としては、社内行事の計画実施、社会保険事務、労働基準監督署対応、福利厚生面の管理などを担っている。

ただし、これは担当している仕事の一部に過ぎず、総務という字のごとく、物を造る・売る以外の事は、ほぼほぼ担当する事となるので、多岐に渡る事だけをお伝えした上で、次からは、実際に担当した中で感じた本音などをご紹介していきたい。

給与計算業務は社員の給与がわかってしまう

まず、総務部人事課の大切な仕事で、給与計算という仕事がある。人は、お金を得るために働く事から、非常に重要であり、且つ、間違いの許されない神経の使う仕事である。

給与の計算を行うからには、当然、社長や役員の給与からパートの給与に至るまで、全てを知る事になるので、そういった事を目にすることがない職種の方にとっては、非常に興味深い仕事のように感じられると思う。

そんな私も今でこそ、社長や社員の給与を見ても何も思わなくなったが、初めて担当した時は、社長や役員の給与を知り、すごく衝撃を受けた事を今でも鮮明に覚えている。

実際にどれくらいの額だったか、事細かに伝える事はできないが、何も知らない方からしたら、恐らく社長の給与といえば、1億円を超えるようなイメージを持っている方もいると思うが、想像以上に少なかったという事だけは申し添えておきたい。

かと言って、普通のサラリーマンが得る事が可能なほど、低い金額でもない事も併せてお伝えしておく。

他人の給与額を知った所でメリットはない

この社員の給与額についてだが、知って良かったと思えた事は、ほぼなかったと思う。

確かに担当して、1年ぐらいまでは、他人の給与が気になっていたので、その金額を見て、色んな想いを巡らせていたが、途中からは、あくまで処理を行なうための数字にしか思えなくなった事を覚えている。

今は、一緒に入社した人間、自分と同じ年や同じ役職の社員の給与が分かってしまうので、正直、あまり見たくないという気持ちのほうが大きいかもしれない。

また、全てを知ると自分の5年後や15年後の給与もある程度、想像できるようになるので、その点もあまり見たくないと思う理由の一つでもある。

自分がこれからどんなに頑張っても、これぐらいしか貰えないとか、まあ、これぐらいなら許せるかとか、先がある程度分かっていると、どこか冷めた気持ちになるので、私としては、知らないまま、夢を持って仕事をしたかったのが本音である。

勿論、知らずに何十年も頑張って、結果が想像をかなり下回って落胆しても後戻りできないという事はないかもしれないが…。

いずれにしても、社会人として、モチベーションを保って頑張っていくには、先が見えすぎず、少しだけ見えているという環境が一番いいのではないかと私は考える。

周りからの詮索も辛い

前の段落では、自身の心の中をお伝えしたが、この仕事をしていて一番困るのは、他部署の人間から色々と詮索されたり、聞き出そうとされる事である。

勿論、絶対に教えるようなことはないが、中には、色んな金額を話しかけてきて、私の顔を見て金額を想像する様な社員がいたり、特に昇給時期などは、自身の昇給額が多いのか少ないのかズバリ聞いてくるような社員もいるので、対応に困る場面にしばしば遭遇する。

自分はどれほど評価されているのか?
頑張ったのにさほど昇給が芳しくなかったのは、自身に原因があるのか?
業績的な物なのか?

などなど、気持ちは分からないでもないが、私の表情ひとつで噂が独り歩きしたり、答えひとつでモチベーションを下げたりする事もあるので、そこは正直、この仕事を担当していてしんどいと感じる所だ。

このように人が知りたい事を知っているということは、羨まれる代わりに相当面倒な面もあるという事は皆さんにも理解して欲しい部分だ。

人事の仕事がしたい方へ

最後に、この給与計算業務についてだが、傍から見るとそんなに難しい様な仕事ではないとお思いの方がほとんどだと思う。

ただ、どの企業もそうだと思うが、給与には、基本給だけでなく、それ以外にも家族手当、住宅手当、役職手当、皆勤手当などなど、支給条件が異なる手当がたくさんあり、出勤状況によって、給料を減額したり、残業していれば、所定の割増率を付与して支給しなければならない。

また、支給だけでなく、天引きするものとして、社会保険料、住民税、所得税に食事代、生命保険料、財形貯蓄なども法に基づいて、適正に処理しなければならず、且つ、働く人間にとって、最も大切な賃金を扱うので、1円でも間違えると文句を言ってくるような社員も当然のごとく存在するので、毎月、本当に神経を使う。

また、間違っていなくて当り前と思われるのも、この仕事の張り合いが持てない点である。本当に縁の下の力持ち的な存在の仕事と言えるが、サポート的な仕事にやりがいを感じると言う方に対しては、非常にやりがいのある仕事だとも思うので、そういった方には、是非とも頑張って頂きたい。

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