毎日コンビニ弁当を買っていく人
31歳の主婦で、去年までコンビニで働いていた。
ある程度の期間コンビニで働いていると、よく来るお客さんの顔は自然と覚えてくる。その中でも、毎日コンビニ弁当を買っていく人が意外と多い事に驚いた。
毎日仕事終わりであろう決まった時間に来店して、お弁当コーナーでいろいろ手に取ってじっくり選んでいる。私は内心、家で作って待っていてくれる家族がいないのだろうな、なおかつ自分で自炊する能力もないのだろうな、寂しい人生を歩んでいるのかな、などなど、失礼な想像をしてしまう。
私も休憩中に廃棄品の中からお弁当を選んで食べる事もあるが、あまり美味しいと思わないし、何度も食べていると味に飽きてくる。こんなのをよく毎日飽きずに食べ続けられるなと感心する。
スーパーで売っているお惣菜のほうがまだましだ。栄養面でも心配になる。保存料や添加物も入っているだろうし、毎日食べていて栄養不足にはならないか、偏らないかなど、余計なお世話だが心配してしまう。
でも毎日買いに来るので、きっと問題ないのだろう。私は本音とは裏腹にいつもありがとうございますという態度で接客していた。
店内の虫の多さにドン引き
どこのコンビニにも虫くらいいるだろうと皆さんは想像しているかもしれない。蜘蛛や蛾、ハエ程度では驚かない。カナブンあたりになると少し構える。ゴキブリが出た日にはアウトである。
叫んで他のスタッフに助けを呼ぶ。名前もわからない見たこともない虫にも出くわすし、レジカウンター内で虫を発見した時は気が気じゃなくなる。平然を装ってレジを打つが、内心ドキドキである。
虫の中でも今までで一番驚いたのが、大きなムカデである。特に山の近くでもないし、畑や田んぼがあるわけでもないのに、どこから来たのかと不思議に思う。
私が事務所で立ち話をしていた時、足の甲の上を這ったのだ…気持ち悪い感触に嫌な予感がして思わず足を振り払ったら、犯人はまさかのムカデだった。ムカデを見るのも触れるのも初体験だった。
もともと虫が大の苦手だった私は正体を見た瞬間気持ち悪くなり吐きそうになった。それ以降トラウマで事務所に入るのをためらうようになってしまったという、虫嫌いの私にはとても苦い体験である。
独身女性のナンバーワンのクレーマー
40代くらいの独身の女性で、スタッフ内でも有名なクレーマーがいた。家が近所なのかいつもラフすぎる部屋着で来店する。風呂上りのような姿で来る時もある。
表情に性格のきつさがにじみ出ており、当初から警戒はしていたが、何度もレジに当たる内にクレームを受ける時がきてしまった。
切手を販売した時だった。その場で郵便物に貼りたいとの事だったので、水を含ませた事務用スポンジを差し出し自分で貼ってもらった。すると張り付きが悪かったらしく、すごい形相で怒りだした。
『この切手は古いんじゃないのか?お金を払っているのだから変な切手は売るな!』と大声で言われた。
他にもレジに並ぶ場所が分からないだの、時間がないから早くしろだの、客の中でナンバーワンのクレーマーだった。今まで独身でいる理由がよくわかった。思いやりのかけらもなさそうな人間だ。
家族や親戚にも嫌われてるんじゃないか?と、私の中ではかわいそうな人間、という位置づけになった。そのうちがみがみ怒っていても何も思わなくなった。ああいう歳の取り方はしたくないものである。
廃棄品の多さに悲しくなる
コンビニでは商品の廃棄時間がジャンルごとに細かく決まっており、毎日大量の廃棄品がでる。時間がきたら廃棄チェックを行い、廃棄品はまとめてカゴに入れ、ウォークインの中で冷やしおくのである。
衛生上お店から持ち帰る事は禁じられていたが、お昼や夕方に休憩を取るスタッフはその中から食べていいことになっており、残った廃棄品は袋にまとめてゴミ用ロッカーに捨てるのである。
廃棄品の量は日によって違うが、毎日必ずでるし、多いときは45Lのゴミ袋2袋分の時もある。これを捨てる時にいつも悲しくなるのである。
日本はなんて贅沢な国なんだ、世の中には飢餓で苦しんでいる国が多くあり、空腹に耐えている子どもがたくさんいるというのに…そういう人たちがこの現状を見たら、やるせない気持ちになるのだろう。
日本全国のコンビニで出る廃棄品の量はとても多いのだろう。別に生の食べ物でなければ賞味期限1日ぐらい過ぎた物を食べても何も問題ないと思うので、捨てるくらいなら食べ物に困っている人に差し出したくなる。いつもそんな事を考えながら捨てている。
ネグレクト?毎週末一人で買い物に来る子ども
土日になると必ず来店する小学校低学年くらいの女の子がいた。たまにお姉ちゃんらしき子と一緒に来る事もあったが、ほぼ一人で来ていた。いつも色あせた服を着ていて髪はボサボサだった。
買う物はおにぎりが数個とお菓子やアイスなどである。まだまだ小さい子どもが、毎週末一人でコンビニに来店してご飯を買っている、これはネグレクトではないか?とスタッフ同士でも心配していた。
いつも無表情で笑顔もない。この時期の年齢の子どもにしては暗い印象を覚える。同じ子を持つ私としては、休日にコンビニのご飯を食べさせるなんて到底できない。
この子たちはもしかしたら親の手料理を味わえないのか、学校の給食が一番の栄養源なのではないか、と思ってしまった。
家でも一人なのかな?親は一体何をしているのだろう、親の愛情に飢えて寂しい思いをしているのではないか、このまま成長して将来非行に走らないか、変な人格にならないかなど、変な心配をしてしまう。こういう子どもを見ると親に怒りが湧くとともに、どうか変な大人にならないようにと願ってしまう。
「本音の窓」管理人からのコメント
コンビニバイトの体験談は複数の人に書いてもらいましたが、毎回、自分も態度に気を付けようと思い直す良い機会になっています。ありがとうございます。
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