フリーライターとしての自己紹介
年齢は三十四歳、性別は女性、フリーライターとして八年ほど活動している。
個人で活動しているので、大小長短様々な仕事をこなしてきた。
良い仕事もあれば、悪い仕事もある。
それはやはり、依頼人によるものが大きい。
依頼人が丁寧でちゃんと礼儀を知っていれば、こちらも真心を込めて仕事をするというもの。
仕事をはじめる時は、サイトで募集しているのを見て自分から声をかける(メールを送る)のと、依頼人から声をかけられること(メールで問い合わされる)の二つの方法がある。
しかし依頼人が最初に送ってくるメールで、大体その人の人となりが見えるのだ。
最初のメールで『名乗らない』、『宛名無し』、一方的に『仕事やれます?』といった内容を送ってくる人は、大方、ろくでもない人間である。
これは経験上、身に染みて学んだことであり、そのことをここで語ろうと思う。
「仕事の依頼がきた!」と素直に喜んでいた時の自分は、本当に素人だった。
ろくでもない依頼人の行動1
私は個人で仕事を請け負っているので、時々、問題のある人間が依頼人になることがある。
最初の依頼メールで明らかに社会性がなさそうな内容を送ってくる人物は、特に要注意。
かつてそういったメールを送ってきた依頼人の仕事も、まだフリーライターとして活動しはじめの頃は喜んで引き受けていた。
だがいざ取引を始めると、徐々に相手が本性を見せ始める。
まず私の住所を聞き出そうとした為、不審に思い始めた。やがてセクハラ的な発言も多く、「そういった発言を続けるのならば、依頼は断る」とキツク注意したところ、その時は止めた。
だがその依頼を終えた後も次の依頼をしてきたが、どうしても嫌悪感があった為に二度と引き受けることはしなくなる。
しかし相手もそんな私の気持ちに気付いたのか、名前やメールアドレスを変えて連絡をとってきたものの、依頼内容が依然と同じだった為に断ったり、無視する事を続けた。
後でインターネットでその人物を調べたところ、警察沙汰になりそうなことをやっている人物だと知り、縁を切って良かったと心から思った。
ろくでもない依頼人の行動2
上記の人物ほどではないにしろ、困った依頼人は他にもいる。
こちらは常に薄利多売の仕事を多数抱えて多忙な日々を送っているのにも関わらず、一度私用メールでやり取りした依頼人が、世間話を持ちかけてくる。
最初は渋々付き合っていたが、何度もしつこく短時間でメールが送られてくる為に、流石にうっとおしくなって文句を言ったら止めてくれた。
他にも「別料金を払うから、チャットで話し合いたい」などと気持ちの悪いメールを送ってくる依頼人もいる。そういうのは「出会い系サイトにでも登録しろ!」と心の中で叫んだのは言うまでもない。
私は依頼人とフリーライターとしての線引きはきっちりしているので、そういうのを持ち掛けられるとどうしても気持ち悪さがある。いくら金をつまれても関わりたくない依頼人というのは、確かに存在するのだと今になって実感するようになった。
フリーライターだから舐められているのか、それとも依頼人に問題があるのかは分からないが。
実は依頼人のことは簡単に調べることができる
依頼のメールをもらった時、不審なものを感じなければそのまま引き受ける。だがフリーライターとしての勘が騒いだ時、徹底的に調べるようにしている。依頼人は気付いていないようだが、メールアドレスというのは正体を調べるのにとても役に立つ。
もちろん本人を知る事はできないものの、メールアドレスを使っている人物が、インターネット上で何か仕出かしていないかぐらいは分かるのだ。いくら名前を変えようとも、人間、なかなかメールアドレスは変えないらしい。
依頼を断られても、しつこく同じメールアドレスで送ってきては意味がない。
ちなみに他のフリーライター達やフリーのイラストレーター達に迷惑だと思われている人物のメールアドレスは、サイトで要注意人物として掲載されていることが多い。
なのでメールアドレスで検索をかけると、意外とあっさりやらかしていることが分かるのだ。
厄介な依頼人は自覚がないまま、多方面でやらかしていることが多い。
フリーライターとしての「うま味」
フリーライターとしてのうま味と言えば、やはり仕事の金額を自分である程度は決められることだろう。高額の報酬を提示してくれる依頼人も、時にはいるのだ。
そして依頼人によっては決められた金額以外にも、特別報酬を多少なりと払ってくれる良い客がいる時もある。締切日も、こちらの要望通りになることが多い。自由に仕事をすることができるというのが、ストレスをあまり抱えずに済む。
また個人ではなく、会社や同人活動の依頼を引き受けると、後に自分のペンネームがインターネット上に掲載されるのは嬉しい。自分が関わった仕事を公表されると、やはり心が躍るものだ。
フリーライターとしては作品を売り・名を売ることが、良い仕事へつながることと報酬を多く得ることへの方法となる。
時には良い感想やレビューをもらうこともあり、照れ臭いながらも喜んでいる。
世の中にはいろんな依頼人がいるものだが、それでもフリーライターを続けているのはやはり、うま味が大きいせいだと言えるだろう。