コンビニのアルバイトっていったいどんなお仕事?
33歳主婦、過去のバイト経験を話したいと思う。
普段より何気なく利用しているコンビニだが、その裏には経営者やアルバイト達の並々ならぬ努力で成り立っていることを知っていただきたい。全てを理解しろとは言えないし、実際やってみないとその苦労は分からないので、これを読んでいる時程度でいいので何か感じていただければと思う。
自分も体験してみるまではそういった立ち位置でコンビニアルバイトをしている友人の話を聞いていた。へー大変だね程度でも、アルバイト達が努力しているという事が伝われば本人達は救われるのである。なぜなら、コンビニアルバイトは楽であるという誤った認識の人間が多いからである。
レジ業務や清潔な店内の維持を始め、商品発注から荷物の受け入れ、それらの陳列業務から賞味期限や消費期限などの個別管理…これ全部一人一人に対して課せられるんです。
さらにはリーダーや特別担当要員などはバックルーム内でもデスクワークが待ってるのである。
オプションとして暗黙の了解の様に客側から喫茶店の様に「いつものちょうだい」と、自分のいつもの購入物を覚えてほしいというサービスを半強要される事もある。こちらからたまたま覚えていて出す場合はいいのだが、そうではないためこちらも頭を抱える業務の一つである。
困ったお客さんはいっぱいいるけど特に困った人ってどんな感じ?!
上記の「いつもの」さんはまだかわいい方で、1品から少量であればこちらが覚えてしまえば向こうも機嫌よく利用してくれるもので、大体が店員側が覚えることで解決する。
ただ一日に何人もそういう客がいるので本当に努力が必要である。見た目や特徴が似通った場合間違って出すとダメだしを食らう。だがそんな時も激怒して取りに行かせるタイプもいれば、笑って待っててくれる人もいる。そういった性格から個人の印象を覚えるので慣れて来たら、楽と言えば楽。
しかし私がコンビニで勤務していた際、最後まで攻略できなかった問題客がいる。それは、とある痴呆症客である。痴呆症がちょっと入った人が来店するのは珍しくない。むしろ昼間のコンビニなんて、散歩がてらに顔を出すなど日課になっている人もいるのでそれは普通である。
私が困ったその痴呆客というのは、突然怒るのである。とにかく何の前触れもなく声を荒げて店員に食い掛る。通常業務をしながら横を通っただけでいきなり怒られるのだから恐怖でしかない。自分に何の落ち度もないのだからそりゃそうである。しかもまた長い事怒られ続け拘束されるものだから、レジも片方しか開かず店内は混雑し始める。これはもはやテロと言っていいんじゃないかと。突然の襲撃に従業員は失神寸前である。
コンビニバイトって苦労するんだ…いいことはないの?
あります!
もちろん10いいことがあってもつらいことが3あるだけで、残りの7がかき消されそうなほどしんどい日も多数あるのだけども。
何が特にメリットかというと、新商品情報をいち早く知れるし新商品が入った際はすぐにチェックできる事から流行に敏感になること。
ネット上でよく商品の売れ残りがもらえるという話があるが、あれは違反行為なのでそういったことに関してのメリットは無い。くじや企業のコラボレーションキャンペーンの際の景品なども同じ扱いなので、これも入手は不可である。
物質面に関してのメリットはほぼ無いと言っていい。コンビニアルバイトにおいていい事というのは総じて物体を持たない物である。先に述べた情報強者化もそうだ。
一番実感しやすいのは人に優しく親切にという気持ちを良く持つようになる。人に対して気遣いが出来るようになるのは人間的成長につながるのでこれは大きい。また、そういった行動をとった際に客から感謝されることも、心があったかくなって良い。
学生さんなど、始めは何だかんだ面倒臭いといいながらも、続けていく内に素直で気遣いに敏感な子に変化していく様は何とも言い難い感動である。
漫画やドラマで店員をナンパしてるのがあるけど、実際は?
あるわけない!…と言いたいところだけど、これがまた実際あるので驚きである。
当時アラサーであった私も若者から1件マジ誘いと、独身のおじさん2人から嫁に欲しいとのアプローチ。あと私だけでなく学生さんも同年代位の子と仲良くなってたりして、よくわからんけどうちの店はそういうの多かった。
いったいコンビニに何を求めてきているんだ、あくまで小売り店なのだけど…とちょっと不思議に思ったものである。ちなみにそういったシチュエーションのエピソードでロマンチックだなと思ったのを少し紹介。
割と来店される客で、普段はそんな時間に来ないような、客が少ない時間での入店からのレジでモジモジ話し出したりしてる二人を見た時はキュン死しそうな勢いであった。
ロマンティック系だと私が若者から好意を持たれた際、寒い冬の日に彼がコーヒーやホットドリンク類を2個購入し、清算が終わってから「これ、あなたに」と差し入れいただいた時だ。
ベタだけど、禿散らかしたおっさん達は最後までそんな事してくれなかったので良い思い出である。若い人ほどそういった気持ちになった時ピュアな行動をするのかなとも思う。
だけど、一応仕事場なので一部の客をひいきしてるとかなったら面倒になるので自分は店内であれこれは肯定派ではないかも。
大変そうだけど興味が出てきた!でも自分には出来るか心配…
決して楽ではないコンビニアルバイトのお仕事だけど、滅多な事では面接に落ちないので安心していい。最低限の敬語と常識さえあれば、あとは先輩の後姿を必死で観察しておけば何とかなるものである。
腰を痛めて私はバイトを辞めたが健康な体であれば、もうそれだけでも申し分ないのである。
続ければ続けるほど、追加業務でも覚えるのが早くなるので仕事内容の不安も気にしないでいい。というか週間単位でキャンペーンを覚えて対応していかなければならない状況下にいれば、脳は自然と記憶のコツを掴んで対応してゆくもので意外と大丈夫。
学歴や経歴に自信もなく、どっちかというとおバカな部類の私でも一通りの業務をこなせたので不安についてはその内解消される。
大事なのは物の捉え方とか感性で、人が嫌いだとか人間不信だとかだとトップクラスに難しい仕事かもしれない。
人の立場に立って物事を考えたり、人それぞれという寛容さが求められる場合が多かったりするので、そこさえクリアすればこっちのもんである。
しかし、この仕事本当にトータルマスターできたら、才能が必要な職場以外であればどこへ行っても重宝されるのではないかと思う。
それくらいコンビニアルバイトの求められることは多岐にわたり努力や苦労が伴うのである。
苦労している彼らに心の中で「ありがとう」という気持ちを持って今後も利用したいと思うばかりだ。