地方ケーブルテレビ会社勤め中年オヤジの憂鬱

ケーブルテレビ会社

ケーブルテレビ会社の主な仕事と利用料金踏み倒し

私は某地方のケーブルテレビ会社に勤める45歳、中年真っ盛りの典型的メタボオヤジだ。

ケーブルテレビとは有線によるテレビ電波配信会社であり、放送局では無い。

ケーブルテレビは電柱から各家庭へ同軸ケーブルを敷設し、お家のアンテナ線に電波を繋ぎこみ、テレビ電波を配信する。そして、その利用料を毎月頂くのが主な生業となっている。

ケーブルテレビ加入の条件として、一申込みにあたり一台の専用チューナーを契約して頂く。STBと呼ばれるチューナーだ。都道府県、市町村別にケーブルテレビ会社はあるので、チューナー契約不要のところもあると聞く。

さて、この月額利用料を平気で踏み倒すお客さんが最近よく目立つようになってきた。

私が思わず「え?」と我が耳を疑った料金未納の理由が

  • 『ハッキングに会い、預貯金全てを奪われた』
  • 『遠方で暮らす息子が払うなと言っている』
  • 『銀行に振り込もうとしていたお金が偽札だった』

私は技術職のため、直接お客さんと利用料の話をすることは無いが、クレーム対応でお客さん宅に向かう前には、顧客管理端末でその辺りの情報を確認すようにしているが、とんでもないお客さんに遭遇する事もあるのだ。

やたらと神経質なお客さんと老害

私はいわゆる背広組ではなく作業着組である。実際、電柱にも昇るし外線工事が主業務となる。こちらも利用料金踏み倒し同様に困ったお客さんは多い。

まず新築のお宅で一番多いのは入室拒否。要するに『汚い服装のまま入室するな』ということである。

「某家電量販店の作業員は靴下を履き替えるのにお宅はそのまま人の家に上がり込むのか」

「靴下…」はよく言われる。確かに夏場なんかは汗だくの状態で作業着自体も汗でびしょ濡れである。靴下くらいはって事で現在は某家電量販店に習い実践している。

その次に多いのは『ついでにこれもやってくれんかな?』である。これも新築の家で多く見られる。

第一位『このタンスをついでに二階に運んでくれんか?

第2位『このテレビ箱から出してついでにセッティングしてくれんか?

第三位『近いから引越し前の家までついでに乗せてってもらえんか?

以外と一番多いのがついでにタンスを運んでくれである。図々しいにもほどがあり、この手の発言は老人が主である。

利用料を払うお客様は神様です

ケーブルテレビ会社はお客さんから支払われる月額利用料金でほぼ成り立っている。

たまに横柄な態度をとるお客さんを論理的に戒めると必ずと言っていいほどの決め台詞が『うちは毎月の利用料を払ってるお客さんだぞ』。

揚げ足取りのクレーマー的なお客さんで一番多い。私が勤めているケーブルテレビ会社は市の中心部からは少し外れており、近くには大きな野球場がある。この野球場は高校野球の県大会が催され、準々決勝からはメインの球場となる。

高校野球ファンは以外と多く、連日内野席は満員という状況になっている。公共交通機関が未発達ゆえ、観客は当然マイカーで観戦に訪れる。そう、駐車場問題だ。球場自体に駐車場はあるが狭い。第二、第三駐車場は遠い。そして私の会社は球場と第二駐車場の中間点に位置してるため、野球観戦者が敷地内に無断駐車をするのである。

無断駐車を見かけると注意はするがお決まり文句で

おたくには毎月利用料を払ってあげてるんやからエエやろ。こっちにも還元せえや』。

電波配信利用料と駐車料は全く別物なんだが。

自主制作番組のディレクター

ケーブルテレビ会社は電波配信とは別に自前の番組制作も行っている。私の会社では10年以上前からトータル三日間の地元祭りを二夜連続で生放送するようにしている。全社員総出の一大イベントである。

生放送開始当初は不慣れもあり、よくミスを起こしたがお客さんも温かい目で見守ってくれていたと思う。ここ10年くらいは目立ったミスもなく安定した放送ができていたように思う。

しかし、一昨年からは若手社員が増えたこともあり、私は放送当日は事務所待機するようになった。現場にいたので知らなかったが生放送が始まると、直ぐに事務所の電話が鳴り出す。

そう、イチャモンの電話だ。

俺ならこうする』だの番組構成に対するものが多い。その都度「次回からの参考にさせて頂きます」だの適当にあしらって早く電話を切るようにする。

早く切らないと引っ切り無しにかかってくる。内容もほぼ似たり寄ったりで、皆んなディレクター気取りである。

去年は『去年俺が言ったことが実践されてない。解約するぞ』なんて問い合わせも受けた。そう、まさしく去年その電話を受けたのは私だった。何も参考にしていないので当然である。

しがないケーブルテレビ会社員

私は20歳からケーブルテレビ会社で働き始め、今年で25年目になった。その間、3回転職をした。当然、3回ともケーブルテレビ会社である。

大都市、地方都市、ど田舎と色んな地域でこの仕事を通じて、末端ユーザーと接してきた。しみじみ感じたのは「地方も都会も面倒くさい人(客)はいる」である。

  • やたらと、利用料金を値切ろうとする人。
  • ケーブルが敷地に三センチ入っているから直ぐに退けろと言う人。
  • 男性アナウンサーは要らないから若い女性アナウンサーを増やせと言う人。
  • コンビニに一時間以上おたくの営業車が停まってると、わざわざ通報してくる人。

文化が違えば人も違うと思われがちだが人間の本質なんて、全国共通なんだとこの仕事を通じて実感した。

つい先日、私が対応した新手のクレームがある。

とあるサービスの終了に伴い、留守番電話のメッセージを変更したところ『以前の若い男の子の案内メッセージをなぜ止めた。早急に戻さなければ解約するぞ』。

非常にお怒りの様子のマダムからでした。

今のところ、変更の予定はございません。

「本音の窓」管理人からのコメント

何割くらいの人がケーブルテレビを契約しているのでしょうね。管理人の私は、今までケーブルテレビを契約したことがないのですが、集合住宅に住んでいるからでしょうか。J:COMの番組は観られます。

お客様相手の仕事は大変ですね。どこに行っても一定の割合でクレームを言ってくる人がいますから。

汚い靴下で入ってこないでというのは分かる気もしますが、最後のマダムからのクレームには笑ってしまいました。

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