大学生アルバイト塾講師の苦難

学歴重視、でも実際は・・・

大学4年生の塾講師アルバイターをしている私は現在就職活動の傍らで勤務中の身である。

約2年ほど働いているにもかかわらず、至らない事も多々あり、試行錯誤の日々だ。
そんな中で私が実際に経験した塾講師アルバイトとしての苦労をここに記していく。

まず第一に、【高学歴である事】が望まれる。

私の勤務先は某有名大学が密集していることから、必然的にアルバイト講師もその大学の生徒であることが多い。

かくいう私も一応名の知れた大学に通っているが、それにしても到底偏差値が及ばない大学の講師がいるのである。

そもそも、保護者は自分の息子娘に最高の講師をつけたい願望がある。
しかし、そう簡単に高学歴塾講師は捕まらないため、私をはじめとする講師陣は自らの出身・在学大学を晒す事を厳禁とされているのが実情。

「あそこの子はT大の講師なのに!何故私の子供はN大の講師なの!?」と真っ赤な顔で発狂する保護者の予防対策だろう。

塾講師はランプの精じゃない

保護者が我々塾講師を高学歴と思っている(思い込んでいる)からこそ期待されるのは【子供の学力をガンガン伸ばす事】だ。

だがちょっと考えて欲しい。我々は塾講師であって、教師ではない。

教師と違って大学で子供の発達に関する勉強や子供の心理についての学習は未経験。
さらには自分で勉強するコツは知っているものの、それを人に教えるとなれば別問題だ。

そんな大学生塾講師に「どうしてもW大、K大に入れたいんです!」と鼻息荒げて頼まれても困るだけなのである。

私たちはナムナムお願いしたら叶えてあげるランプの精なんかじゃない。ただの大学生。

もっと金を積んでプロの塾講師にお願いしてくださいね♪とは言えず、適当にあしらうのが私のベストアンサー。

大学生講師が生徒のためにしてやれる事なんて高が知れている。

上司も「限度があるから、苦情とか来ないようにこっちで何とかしておく」と言っているレベルだから、とっとと保護者は金を積むが吉。

お前に金積んでる親の顔が見たい

ここまで保護者に対しての文句をつらつら喋ってきたが、後半戦という事で矛先を生徒に向けてみよう。

まず生徒の質に関してだが、集団塾ではなく個別指導塾にブチ込まれている生徒は、それゆえ頭の中がスカスカと言っても過言ではない。

集団塾で晒せない頭の悪さを保護者は隠したいのだ。
秀才というのは個別指導においてごくごく稀なケースである。

最も悩ましいのは、【自習室にいるだけで勉強した気になっている生徒】だ。
自習室マジックとは奇妙なもので、そこに足を踏み入れるだけで自分が勉強した錯覚に陥る。

勉強途中で居眠りをし、起き上がり時計を見れば1時間経過。また1時間スマホを弄り、自習室から退室。

スッカスカな生徒は、質ではなく量で判断する。しかもその量とは見せかけなのだ。

「どれだけ理解したか」ではなく「どれだけ勉強の場に居たか」を重視してしまっては勉強の意味がない。

お前に多額の授業料払ってる親の気持ちはわかるのだろうか。

それは親の願望であってお前の願望じゃない

生徒「S女中行きたい」
私「どうして?」
生徒「何となく」

中高大受験どの受験生からも頻出台詞の「何となく」。
特に出てくるのは受験の「じゅ」の字も知らないような中学受験生。

親のエゴで無理矢理オープンスクールに連れ出され、無理矢理塾にブチ込まれる。

そんな訳で右も左も分からない生徒は勉強のやる気なんてあるはずかない。従ってその生徒が学力戦争で勝てる確率などゼロに近い。

これは自分自身が中学受験をした身ゆえに分かる事だ。

結局自らがここに入りたい!と強く思うようなキッカケがない限り人間というのは動かない。中学受験に成功していたのは結局公立中学校に入りたくない理由を持っていた子だけだった。

毎年幼いながらに夜遅くまで勉強している中学受験生を見送っているが、彼らは何のために勉強しているのか分かっているのだろうか。

少しでも違和感があるのならば、それは親のエゴから抜け出せるチャンスなのかも知れないと私は思っている。

結局塾に通わせている家は、いいカモ

塾に通わせる保護者や子供に対する不満を言葉にしてきたが、もちろん良い事だってある。
生徒の学力が上がるというのは誰だって嬉しい事だ。

それに加え、個別指導塾に子供を入れる家は大抵金持ちなので、思わぬ報酬があったりする。

日頃の感謝の意が込められためちゃくちゃ高そうな菓子類をいただくと、金持ちのガキンチョの担当でよかったと心から思う時がある。

各受験の終わりである2月3月にかけては怒涛の菓子ラッシュなのでブクブクと肥えていくのが私のお決まりだ。

担当生徒がバカであればあるほど授業数が増えて稼げるシステムだが、幸か不幸か自分の担当生徒はそこそこの成績を修めており、なかなか授業が増えない。

願わくば、いつか超金持ちの家庭の超ド級のバカご子息の担当講師になりたい。

そういう家庭に限っておかしな矜持があり、息子を有名校に入れたい願望がある(自分調べ)。

バカみたいに塾に貢いで、私にも貢いでくれれば、優しい世界なのにね。

「本音の窓」管理人からのコメント

今まで数人のライターさんに受講講師アルバイトの体験談を書いてもらいましたが、今回が一番ゲスイ性格の人でした。

アルバイトとは言え、お金をもらって受講講師をしているのですから、教員免許を持っていないとか関係なく、児童・生徒の成績アップのために全力で頑張ってほしい。

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塾講師アルバイトは想像以上に学ぶことが多い

進学塾の講師の本音:塾で出会ったいろんな塾生と親たち

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