学生時代のアルバイトは塾講師
40歳、主婦、子供が一人いる。学生時代、塾のレベルを上げながら、6年ほど、塾講師をしていた。将来、教育系の職業につきたいと思っていたので、これ以外のアルバイトをしたことはない。
仕事の内容は、授業準備、授業、小テストの点数つけ、欠席者への連絡、親からの苦情などの処理と試験監督だった。慣れるまでは大変だったが、何せ時給が良いので、塾講師のアルバイト経験者で性に合っていれば、別のアルバイトに魅力を感じる人は少ないのでないか。
もちろん、授業を担当しているので、ちょっとした風邪くらいでは休むわけにはいかないし、どうしてもという時も、別の先生に代講してもらって、代講の先生が良いなんて言う評判がでたらどうしようと思ったりもした。
それに、学校の先生は大変だろうなと思うような親や塾生も中にはいた。でも、主婦になる前、働いていた時や、子供を持った今、そこで培ったものが役になったと実感している。別のアルバイトもしておけば良かったと思うこともあるが、後悔はない。
塾生との関係。タイプによって、色々、使い分け
最初のうちは、夢中で授業をしていたが、慣れてくると、塾生の様子や接し方が分かって来た。例えば、成績のあまり良くない塾生は、塾がつまらないので行くこと自体を嫌がるようになる子もいた。不登校が学校で問題になるように、自分が担当している時に、塾に来ないようになるのは嫌だった。
というのも、親も成績が上がらないし、子供も塾に行きたがらないからと言って、退塾を考えるようになる。1人の塾生が塾にもたらす収益は、毎月の月謝はさほどでもなくとも、夏期講習、冬期講習と言うように考えると大きい。だから、塾に来てもらうために、講師は塾生に恋愛感情を持ってもらうようにすることも普通にしていた。
もちろん、しっかり授業準備や指導法を見る塾生もいたので、そういう塾生がいる時は、より一層、準備を頑張った。塾生のタイプによって、見せる自分を変えることは楽しくもあった。
アルバイトとはいえ、一つの仕事を長くしたおかげで、その分野に関する引き出しは、増えたと思っている。
親との関係。本当に出来る塾生の親は塾に過度の期待はしない
塾生の親は大きく2種類いた。落ち着いている親と、何にでも大騒ぎをする親である。はっきり言って、塾の講師も人間なので、後者の親とは関わりたくなかった。
ある親は、本当に、始終、塾に苦情の電話を入れるので、担当の先生につなぐ必要はない、事務の方で話を聞いておいてと言われていたりもしていた。
知らぬは親ばかりで、その対応になっても、電話をかけ続けて来ていた。こういう親にはなりたくないと思っていた。
思うに、将来が楽しみと思う塾生の親は、冷静で落ち着いています。親の雰囲気が子供に映っているといっても過言ではありません。前述のうるさい親の子供は、どこか委縮していて、親同様に近寄りたくない雰囲気を醸し出していました。
塾は教育をする場でありながら、ビジネスの場でもあるので、困った親もお客様として対応するが、裏では共通認識ができている。
もし何でもかんでも、塾のせいにしている方は、ほどほどにしておいた方が良いですよ。良いことは1つもありません。
塾生の成績を伸ばすのは何か
私立の学校に通わせているのなら、また違うかもしれないが、公立の学校に通わせている場合は、塾に通わせていることが、どこか指導の前提になっているように思う。公立の学校の先生が指導の手を抜いていると言いたいのではなく、クラスの中での学力差が大きいので、自分の子供にぴったりとあった教育などできない。
だから、一定の学年以上になったら、学力でクラス分けをし、そのクラスに合った指導法をしてくれる塾に通わせる必要があるだろう。ただし、塾生の成績を伸ばすのは、塾の力よりも塾生の努力の方が大きいことは言うまでもない。
なぜなら、同じ授業に参加しても、学力差はついて来る。だから、塾はあくまで成績を上げるためのツールでしかなく、ツールを使いこなせるかどうかは塾生にかかっていると言える。
ちなみに、親もまた高校受験レベルの問題であれば、子供が詰まった時、その場で指導ができるくらいの能力は持っているべきだろう。塾に行く日まで不明点を残しておくのは、時間の無駄だ。
親になった今、子供の塾について思うこと
お子さんの能力にもよるが、私は塾選びをする時、講師の先生が明らかに大学生ばかりのところは、ダメだと思っている。なぜなら、自分が勉強ができるのと、人に分かりやすく説明できるのとは、まったく質が異なるものだからである。
ただし、お子さんの成績が上中下の下の場合や、まだ勉強の習慣が身についていない場合は、同じ塾でも若い先生が教える個別の教室に通わせるべきだ。
感じとしては、お兄さんやお姉さんが分からないところを教えてくれる雰囲気なので、彼らの前で恥ずかしい想いをしたくないという気持ちから、勉強をするようになるかもしれない。お子さんの成績、学習状況を選びながら、塾の種類を変えて行くべきだろう。
子供にとって、現状、塾は必要である。中学校受験をしないご家庭でも、高校受験に向けて、小学校から塾に通わせ始めるのは、もう普通のことになっている。
良い塾と出会いたいと思うのなら、親が冷静になって、その塾が持つ指導力を見極めると良いだろう。
管理人からのコメント
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