子育てまで口を出すおばさん達
私は整骨院を開業している主人と結婚してからずっと一緒に仕事をしている。
現在52歳。
今の場所で開業して30年。その間に二人の子供を生んだ。上が男の子。下が女の子。近くに親がおらず、どこにも預ける所がなく三歳まで主人と仕事をしながら二人で育てた。
自宅兼治療室なので、首が据わるまで家の方で寝かしていたのだが、泣き声が聞こえると勝手に家に入っていくおばさん。勝手に抱き上げて治療室に連れてくる。
「可哀想に、一人で寝かされて」と言う。仕方ないだろ。生きていく為に、子供を育てていく為に働かなくてはいけないのだから。
首が据わってはいはいし出した時、治療室に連れてくると、またまたおばさんが
「可哀想に。こんな汚い所に這わされて」と言う。うるさい。床は毎日綺麗に掃除しているんだ。余り綺麗な所ばかりで過ごすと身体が逆に弱くなるんだ。
「早く保育園に預けた方がいいんじゃない?」と言う患者さん。
「三歳までは自分達で育てないと早く預けたら可哀想よ」と言う患者さん。
どうしたら良いのか。あなた達で育ててくれ、と言いたい。自分の子育ては棚に上げて他人の子育てに文句ばっかり言わないで。
隣の患者さんと愚痴を言う人達
こっちは、頑張って少しでも楽になる様にと治療をしてるのに、「中々治らないね」と言い合う患者さん達。こっちもどうしたら良いのか考えながら治療してるのに失礼と思わないのか。一人で来た時は「だいぶ良くなりました」って言うくせに。
それに、治療して仕事して無理するんだから、中々治らない、余り無理しないようにって言うこちらのアドバイスを聞いてないし、中々良くならないのは本人のせいでもある事をわかって欲しい。
グランドゴルフをするじぃちゃん、ばぁちゃんは、「グランドゴルフする時は一つも痛くないのよね」と言う。
当たり前だ。好きな事してる時は痛いのとか忘れてるんだ。家に帰って仕事をすると痛くて何も出来ない。嫁にグランドゴルフは出来るのに仕事は出来ないのかと愚痴られたと治療に来て嫁の悪口を言う。その嫁も来ているのにどちらの話も聞かないといけない。下手に相槌なんかうったらおしまいだ。家庭で話がややこしくなっている。どちらの味方も出来なのいだ。
痴呆の入った患者さん
近頃特に多いのが痴呆の入ったお年寄り。良く家まで来る道を忘れないで毎日通院してくるなと感心する。
来てくれるのは有難いのだが、治療が始まってから終わるまで何度も同じ事を言う。聞く。
「ここで開業して何年になるの?」
「○年です」
「ほー、もうそんなに経つのか。早いもんだな」
「そうですね。早いですね」
暫くすると
「ここで開業して・・・」と同じ事を聞いてくる。これが何回も続くのだ。
一日2回来るお年寄りも多い。午前中に来て帰ってまた昼からも来る。「午前中来たよ」と言っても昼寝をしてるから一晩経ったと勘違いしているらしい。「昨日来たんじゃなかったか」と言う。説得して帰ってもらうが、次の日も2回来る。
最悪なのは、日曜日に来るお年寄り。治療室の鍵を朝開けて出かける前に閉め忘れた時の事である。帰ると一台の車が駐車場に停まっている。誰かが置いてどこかに出かけたのかと思い治療室を覗くと、待合室の椅子の上で寝ている。びっくりして今日は日曜日だと告げると頭をかしげながら帰っていく。勘弁して欲しい。
自分の都合で行動するじいちゃん
ある日の事。主人に治療室がなんか臭い。トイレを見てくれと言われ見に行くと、こんもりとう○ちが・・・。流して便器を洗い、主人に報告に行くと、「やっぱり」と言う。
「わかってたの?」とどうして自分でトイレを見て流さなかったのかとイラついた口調で聞くと、患者さんが自分でパンツが履けないと下を全部脱いで裸で椅子に座っていたから、そんな予感がしたとの事。
トイレの中がう○ちだらけだったらどうしようかと思って怖くて見れなかったと。
そして、もう一人。自分がよそで話した人の噂話を私達に聞かせ、他の所に行って同じ話をして、その話が私達から聞いた事になっている。
うちは客商売なんだから、勝手にそんな事言ってまわられたらとんでもない事になるんだ。確かに相槌をうって興味深げに聞いたけど、これも患者さんとのコミュニケーションと思っているからである。それをこちらからの発信だと言われると、どこまで患者さんと話をして良いか判らなくなる。それからは、人を見て話をする特技がみについた。
王様の様に振舞うじいちゃん
町でも有名な自分中心のおじいちゃん。
どこにいっても自分が一番偉いと思い込んで好き勝手に行動する。
まず、人の言う事に決して同調しないのだ。「いや、そんな事は無い」「そんなはずはない」としか言わない。国会の中継番組が好きで皆が集まる場所で他の番組を見てても勝手に国会の中継番組に変えるのだ。うちでも同じである。他にも患者さんが居てテレビは待合室にあるのに、「国会のチャンネルにしろ。音を大きくして治療室まで聞こえるようにしろ」と言う。
うるさいんだよ。他の患者さんはゆっくりリラックスしながら治療をしたいんだ。周りの人の事は全く考えない。
高校野球がある時も同じである。国会のテレビがある時と同様、音を大きくしろと言う。早く家に帰ってみれば。それとも、治療に来ず家でずっと見れば。と思う。
隣の患者さんが、あそこの道路に何本も木が倒れてて通るのが大変だったと話しているのを聞いて、頼みもしないのに、「おい、電話を貸せ」と我が家から役場に電話をかける。自分の家でかけたら。電話代払ってくれ。