コールセンターは二度とやりたくない仕事

新規コールセンターのスタッフ大量募集

私は結婚を機に勤めていた会社を辞め、家に一人でいるのがあまりにも暇だったので、旦那にパートに出たいと申し出たところ、あまりいい顔はしなかったがどうにかパートの面接を受けることを受け入れてもらった。

コールセンターのオペレーター

ちょうどよく新規コールセンターがオープンするということで大量募集があった。CMやドラマで見るあのイヤホンとマイク。少しあこがれもあって応募してみた。

面接も通り、研修となったが研修が始まってまだ1週間もたたないうちに事件は起こった。あれほど、教育担当の社員から研修内容を掲示板などに書き込みをしないようにと指示があったにもかかわらず、同僚が研修内容の書き込みをしてしまった。

年齢的にも私より10歳くらい上だったし、養っている家族もいたのにどうしてこんなつまらないことで職を失うことをしてしまったのだろうと、とても残念に思ったし、その日は少し集中力を欠いてしまった。

その日をもって書き込みをした同僚は解雇となった。

よくわからないマニュアルといらだつお客様

研修が終わりそれぞれの持ち場に配属されることとなったのだが、マニュアルがわかりにくいと同僚の間では噂になっていた。

そのわかりにくいマニュアルとお客様には自分たちが外注のコールセンターではないこと、お客様にはコールセンターの場所を聞かれた場合、嘘をつかなければいけないこと、と不安しかない業務開始となった。

お客様がインターネットの接続設定がうまくいかないときにコールセンターに問い合わせがかかってきてオペレータが対応することになっていたが、オペレータが不安げに対応していればやはりお客様に伝わってしまう。

ただでさえインターネットに接続できなくてイライラしているところに知らない横文字の言葉を聴かされて、お客様もだんだんいらだってきてオペレータにあたったりすることもあった。

しかし、それよりもつらかったのが味方であるはずの上司がとても頼れそうにないという現実だった。間違った対応をすると向かい側から画面を揺らしてくるというとてもプレッシャーを感じるものだった。

地震によってお客様にばれた嘘

相変わらずお客様には外注のコールセンターではないこと、お客様にはコールセンターの場所を聞かれた場合、嘘をつかなければいけないこと、と良心の呵責にさいなまれながら続けていたら天罰が下った。

大きな地震が来てとてもまともに対応できる状態ではなかった。しかしお客様が住んでいるところは揺れが小さい地域だったため、同じ地域で電話をしているんだし揺れているわけないとお客様は思ったことだろう。

翌日からはやっと堂々と外注のコールセンターで、お客様にはコールセンターの場所を聞かれても正直に受け答えをしてよくなった。ここで初めて会社の体制を疑問に思うようになった。

間違えば画面を揺らされることはあったし、いつも機嫌が悪そうな上司だったため、だんだん体の調子を崩してきた。たまに感情的になっているわけでもないのに目から涙が水を流れるように流れ落ちるようになった。首が苦しくなりつばを飲み込むのもつらくなっていった。なんでこんな思いまでして働かなければいけないのかとも思った。

不審なお客様、体制の変更

ある日、朝のミーティングで「違法行為が疑われるお客様がいらっしゃる。顧客番号を通知するので、もし、入電した場合はすぐに上司に代わるように」ということが周知された。

万が一、自分が応対することになったらと思うと不安な気持ちもあったが忙しさでだんだん忘れていった。たまにお年寄りの方が用件以外のことをお話ししていただくと気持ちがやわらぐこともあった。

相変わらずつばを飲み込むのが辛く、仕事を辞めたいといつも思うようになっていた。そんな時に会社側から体制の変更があると告げられ、私は退社することにした。

フリーターや学生のほうがシフトの融通が利くし考え方も柔軟なんだろう。私は安い時給のパートで主人より遅く帰るつもりはなかったし、お金に困っていたというわけではなかったので簡単に「辞めます」と言ってしまった。

その日まで続けてこれたのは同僚が皆いい人たちで、ランチの時間もとても楽しかったこと。お互いを励ましたりしながらこれたけれどももう限界だった。

二度とオペレータはやりたくない

私はコールセンターを辞めてしばらく何もしない日々が続き、体調もだんだん回復していった。

外で働くことをあまりよく思っていなかった主人に気を遣い、このパートを辞めたら次はパートに出させてもらえなくなると体調不良を我慢し続けていたけれども、主人も私の体調を知ってか「パートに出たければ出るといいよ」と好きにさせてくれた。

顔の見えないお客様と1対1で応対する不安。電話だからつい大きなことを言ってしまうお客様。上司に代われと言われてもどうにかして一人で応対しなければならないこと。
上司をなかなか頼れないこと。

私は次の仕事にオペレータを選ぶ勇気はなかった。精神的にタフでなければやっていけない仕事だと思ったからだ。すべてのコールセンターが精神的にタフでなければ務まらないとは思わないけれども、もうオペレーターの仕事はやりたくなかった。次は全く違う職種を選び、私は快適に働くことができた。

追い詰められた時に、どのような体調不良になるというのがわかっただけでも、収穫があったのかもしれないが、もう二度とコールセンターでは働きたくない。

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