カフェ店員から見えるお客様たちの人間模様

カフェ店員

毎日お疲れ様です、サラリーマン殿

30代主婦の私が、以前カフェでアルバイトしていた時の話。

そこのカフェは、コーヒー等のドリンクの他に軽食やデザートも置いている、どこにでもあるようなカフェ。

大体朝の時間帯は通勤前のサラリーマンが、コーヒーを一杯飲みにやってくる。

毎日来る常連が多く、お客さんのポイントカードが日に日にたまっていくのを見るのは、こちらとしても嬉しいものだった。ある人は新聞を広げ、ある人はカバーの掛かった文庫本に目を落とす。

平日の月曜日から金曜日まで、週に5日間。毎月コーヒーにかかる出費だけで決して安いものではない。

多くの人はスイカや電子マネーを使うが、入っている残額がいつも千円以下の金額の人や、かわいらしい小銭ポーチから一円単位で小銭を出してくる人を見ると、奥さんから毎月貰うお小遣いでやりくりしているのだろうなぁと思うと微笑ましかった。

唯一不満だったのはトイレの使い方だ。出勤前のサラリーマンにとって、トイレというのは必須なのであろうが、必ず汚す人がいる。掃除をする人の身にもなってほしい。それか家で済ましてきてほしいものだ。

そう思いながらも日々、行ってらっしゃいの気持ちで見送るのは、悪いものではなかった。

どうしてもこれが食べたいご婦人様

お昼の時間帯は働いている人々がちょうどお昼休憩に入るので、なかなか混む時間帯である。それはいい。大体がセットで、時間もないのでサッと会計してサッと食べて帰る人が多い。

その時間帯が過ぎてこちらも落ち着いたかなと思う頃、やってくるのである。

ちょうどおやつタイムと言われる午後三時。百貨店の大きな紙袋を手に持ち、団体でご来店されるご婦人たち。

甘いものが食べたいわと定番のフレーズを口々に言い、一人が注文すると次々に私も、私も、と同じものを注文する。

それはいい。

こちらとしてもお店の売り上げになることはもちろん喜ばしいことであり、喜んで提供する。

たまに材料が品切れになり、出せないことがある。その旨を伝えると、何で出せないのか、どうにか出せないか食い下がってくる人がいる。

だから材料がないと、先ほどから散々説明しているだろうと思いながらも丁寧に理由を伝える。

挙句の果てに、もういいわ、と帰ってしまう。

そんなに食べたいのか、他のものじゃダメなのか。

わかってくれる人がほとんどだが、たまにそのような人がいる。その人は、その日その時それがどうしても食べたかったのだろう、と思うようにしている。

いつまでもお元気に、人生の先輩様方

高齢化社会と言われている昨今、元気なお年寄りが毎日コーヒーを飲みに、いや、散歩のついでにご来店される。

特にとても天気の良い晴れた日に多い。逆に雨が降っている日は少ない。

そして話しかけてくるお年寄りが本当に多い。私も話しかけられるのは嬉しく、いつも話を聞いたりしていた。

なかには少人数で来店されたり、店内で待ち合わせをしてずっとおしゃべりをしているような方たちもいる。お年寄りにとっては、外に出ることが大事で、家で閉じこもっているよりは何倍も健康的なのであろう。

なんとも微笑ましいが、お年寄りには注意点がある混雑している時に、こぼす率が高いのだ。

レジで会計後その場で提供する店なので、手が震えていて嫌な予感がした時は率先して代わりに運ぶが、大丈夫と言って結局こぼしてしまう方がいる。

こぼしてしまうのは仕方がないし悪気もない。よくあることなので、こちらも後始末や処理には慣れている。

だけど無理して両手で運んでこぼしてしまう場合、こちらでお席までお運びさせていただきますよ、と声を大にして言いたい。

未来を背負う若者達様

カフェでよく見かける光景と言えば、テーブルいっぱいに参考書を開き、勉強している学生たちだ。こんなザワザワと雑音だらけの場所で、よく勉強できるなとよく思っていたものである。

特にテスト期間であろう時期は、席が学生たちで埋め尽くされるのも珍しくはない。

しかしよく見てみると、ちゃんと勉強しているグループもいるが、なかにはずっと話して騒いでいるグループもいる。時には歌っていたりもする。ここはいつからカラオケになったのか。

携帯でパシャパシャと撮影に忙しかったり、ずっと携帯に夢中の者もいる。学校や図書館でも勉強できるだろうと思ったが、図書館ではそれこそ携帯でパシャパシャ出来ないか、とすぐに思った。それにその撮影会にはカフェと飲み物が必須なのだろう。図書館では意味がない。

そして必死に勉強している若者たち、そもそもカフェというのは飲食をする場であり、食べかすや飲みこぼしがあっても、大量の消しかすはない。ここは学校か。ハンディクリーナーでも持ち込んでくれと思いながら掃除をした。

笑顔がとても素敵な外国人様

たまに外国人が来店される。

よく来るようになったシュッとしたスタイリッシュな外国人の男性は、入り口から入ってくるなり思い切り笑顔で挨拶してくる。

これが外国人の感覚なのか。

一気にフレンドリーになるのである。

いや、なかには毎日来ているのに普通に注文だけの外国人もいるので一概には言えないが、このフレンドリーな外国人は英語で会話してこようとする。

こちらとしては英語が聞き取れなくて何と言っているのかさっぱり分からない。

何とか拙い英語で対応するが、この時本気で英語を勉強しようと思ったものである。

いや、そもそも日本に住んでいるのなら日本語が話せるのではないか、ただからかっているのか、と当時は思ったりしていた。

そして私個人の感じ方だが、海外旅行など海外で飲むコーヒーはすごく濃くて苦い。

砂糖とミルクをたくさん入れてやっと飲めるものだったので、どうしたらこんな濃いコーヒーになるのだろうか、豆の違いなのか、と不思議に思った。

そして外国人にとって日本のコーヒーはどんな味に感じているのか、物足りないのではないか、と思うのである。

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