自己紹介と私の仕事について
私は今年で38歳になる男で、7年前からインターネット通信系のコールセンターで働いている。
最初は契約社員のいちオペレーターとして電話を取っていたが2年ほど経ったら上の人が辞めたので繰り上がりでSV(スーパーバイザー:部下の監督などを行う役職)になることが出来た。
うちの会社はアウトソーシングをしていて、元請けのクライアントの会社からコールセンター業務を請け負って行っている。
主に電話がかかってきてから対応するインバウンドで、1日に多いと70から80件も電話を取らないといけないのがきつい。
そんな電話を取るだけのオペレーターの仕事には正直飽きていたので、色々な権限が持てるSV(スーパーバイザー)になれて良かった。
その代わりクレーム対応やノルマ達成などの責任も大きくなっていたので、それは面倒だった。
私は多少いい加減な性格だったので、クレーマーから業務や対応のことを言われれば、「上申させて頂きます」とか「社内に共有させて頂きます」などその場しのぎのことを言ってなんとかやり過ごしていた。
クレーム対応のやり方について
うちのようにフリーダイヤルのコールセンターだと無料だと思っていろいろな電話がかかってくる。
「引っ越したから住所を変えたい」
だとか、
「契約の申込みをしたい」
などの真っ当なものから、
「今日の天気はどうだった」
とか
「○○さんは元気にしてるか」
など暇つぶしとしか思えないような電話もよくある。
そんな中一番対応に困るのがクレームだ。クレームの電話はお客さんも怒っていて冷静じゃないので、こっちの話を全く聞いてくれない。
そうすると原因自体も分からずに、自分が怒っているから話が先に進まないのに、話が進まないことにも怒り出してしまって全然解決しない。
そんな時はまず、怒り狂っているお客さんでも「この人は何に怒っているんだろう」と考えることが重要。
そして、最初はこちらからは余計なことは言わず、まずは言いたいことを言わせて相手が疲れてきた頃にこちらから話しをふると聞いてもらいやすくなる。
意外とクレーマーの人は問題が解決すると良い人だったりするから面白い。
自社オペレーターの扱い方
私のSV(スーパーバイザー)という役職は直接電話を取るんじゃなくって、取ってくれてるオペレーターのサポートをする部署だ。
なのでオペレーターの人の管理をするのがとても大事になるんだけど、相手も人間なのでなかなか難しい場合もある。
そんな時に上手くその人のやる気を出させるコツは、もしクレームに当って落ち込んでる子には「クレームの電話お疲れ、ありがとうね」と感謝を言ってあげることが大事。
そして、電話の受け答えで上手くいかなくて悩んでる子には「最初は誰でも出来ないものだから、そんなに悩むことはない」と言って追い詰めないことも大事。
本人が嫌になってしまうとコールセンターなんて仕事は出来ないから、「やれやれ」とこっちが言う前に相手の気持ちになってあげればいい。
私だってクレーマーに「覚えておけよ」とか「許さんからな」とか言われたらクソーって思うけど、それを誰かに八つ当たりしてもしょうがないので、そういう人もいるんだなって言うくらいにおさめておいた方がいいよっと指導している。
クライアントの要望について
上でも書いたけど、私の会社は下請けなのでクライアントから仕事をもらって成り立っている。
なので、クライアントが「1人1日100本電話を取るように」って言ってきたら、そんなん無理に決まってるでしょって思うんだけど、「はい分かりました」と言うしかない。
3ヶ月に一度、報告会と銘打って、クライアントが私たちの仕事内容を評価する時があるんだけど、その時は管理職一同ドキドキが止まらない。
「1日あたりの電話の本数が減ってる」とか「◯月◯日の電話中の言葉遣いが良くない」と言ったような事を資料を交えて突っ込んでくる。
しかも数字や内容が悪いと、仕事の量を減らされてしまうのでこっちも生活がかかってくる。
またクレーマーから「ここのこういうサービスが悪い」とか「最近、通信速度が遅くなった」などの内容をクライアントに伝えるのも仕事なので、もしそういった内容の電話だったらいちいち報告書を書くのも面倒くさくて時間がかかり、質と量の両方を上げていくのは本当に大変だ。
良かったこと、得したことについて
この仕事をしていてよかったことは、自然とコミュニケーションスキルが上がり日頃の言葉使いも良くなってくるということ。
電話の応対で言葉使いに気をつけているから、この仕事をやるようになって以前は気付かなかった、他の仕事の言葉使い(例えばファミレスとかコンビニの店員とか)で間違っているのが気付くと「今まで私もあんな間違った日本語話してたんだな」って思う。
やっぱり日本人なんだから日本語くらいはきちんと喋りたいものだ。
また、この仕事はお客さんと対面で接する仕事じゃないから、髪型とか服装も比較的自由。
私のところはタンクトップやサンダルといったラフ過ぎる格好はダメだけど、TシャツとかジーパンなどはOKで、髪の毛も染めてようがモヒカンだろうが大丈夫。
仕事終わりで遊びに行く時もわざわざ着替えなくて済むから本当に楽ちん。
また年齢層もみんな若いので、同じくらいの年の人が多いのも話しやすくて、職場の雰囲気も明るくなって環境としては働きやすい。