コンビニ店員とお客さんの関係
49歳の主婦で長年コンビニ店員をしていた。
コンビニに勤めるまでは、コンビニ店員とお客さんの関係なんて、希薄なもので顔も覚えていないような関係だと思っていた。
しかしコンビニで働き出すと、話し掛けて来るお客さんが多く、家の愚痴を話し出すお客さんも多くいた。
また、毎日コンビニに来て同じ弁当を迷わず買って行く人もいて店員同士の間では、毎日来て同じ弁当を食べるのって飽きないのかと一時期話題になっていた。
そのお客さん以外にも毎日コンビニ来る人は多く、毎日来るだけではなく1日の食事を全部コンビニのお弁当で済ませるおばあさんもいた。
そのおばあさんは、朝来てから昼と夜と翌朝のご飯とペットボトルのお茶を毎日買いに来た。
その様子から、私はてっきりおばあさんは一人暮らしの寂しい人なんだと思っていた。
しかし、そのおばあさんと話すうちに子供と同居している事が分かった。
でも、同居しているのに毎日コンビニ弁当の食事では可哀そうだと他の店員も思い、それから、みんなおばあさんに積極的に話し掛けるようになった。
コンビニ店員も人間だから、どうしても自分の話しやすい人や気になる人には親切になったり話したりする。
店員も人間だから接客に感情が入る
毎日お弁当を買いに来るおばあさんには、みんな同情心が絡んで妙に親切になったりした。
また、男性店員は女性に親切で、女性は男性に親切だったりする。
コンビニで働くまでは、みんな同じように対応していると思っていたけど、実際には結構みんな自分の感情で微妙に接客に差が出たりしていた。
コンビニの店長自体がそうで、店長の場合には大量によく購入してくれる人には露骨に親切で、毎日缶コーヒー1本とかいうお客さんの事は軽く扱っている感じがあった。
コンビニにいつも来る人の中で毎日子供を連れて来るお母さんもいた。
小さい字が読めないような子供が、今日はツナのおにぎりが食べたいとか普通に言っている姿を見ると、この家庭は家でご飯をあまり作らないんじゃないのかと思ったりもしていた。
そんな親子が帰ると、今の若い親はどうなっているんだと他の店員と一緒に話したりもした。
癖の強いお客さんもいる。購入した雑誌は紙袋に入れた後にレジ袋に入れることを強要してくるのだ。
そのお客さんが来ると、店員たちは、また面倒なお客さんが来たとまるで打ち合わせたように溜息をついたりしていた。
ちなみに、そのお客さんの家は、有名なごみ屋敷だという事はみんな知っている。
お客さんが購入する物の変化
コンビニに来るお客さんは、それこそ小さな子供から本当に年を取ったお年寄りまで幅広い。
中には小さな子供が一人で来て、おむすびを毎日買って帰る子供もいた。
今はお母さんも働きに出ている家が多いので、ご飯を作るのが大変だという事もあると思う。でも、コンビニで長年働いて、年々みんな家でご飯を作らないんだという事を肌に感じていた。
うどんなども、以前は家で火にかければ食べられるというのが人気だったが、ここ最近は火にかけるのは面倒だ、電子レンジで温めるだけでないと嫌だと言う人が増えて来ている。
そのため、売り場に並ぶ商品もレンジで温めるだけとか、野菜はカット野菜のような物ばかりになってくる
ご飯を作らなくなったのは若い世代から年配の世代全体で、どの世代の人もすぐに面倒だという言葉を使うようになったと感じる。
昔はコンビニというと、独身の人が利用するイメージだったが、今は全世代が利用するようになり、しかも簡単に食べる事が出来る物が好まれるようになった。
店員歴の長い人は、そういうお客さんを見て、こんなに面倒だとみんな言っていたらこの先の日本はどうなるのだろうとぼやいていた。
私も、確かにそうだとその年配の店員と話していた。