アパレル販売員は体型維持も仕事
34歳女性、つい最近までアパレル販売員の正社員をしていた。
辞めた今だからこそ思うのは、アパレル販売員の仕事は華やかさだけでなく、厳しい仕事だということ。
扱っている洋服のサイズにもよるけれど、勤めていたアパレル会社は細身の洋服がメインだったから、その洋服が似合わなければ販売員失格だった。
キャリアウーマンをターゲットにしたかっこいい洋服の数々をお客様の見本になるように、それこそマネキンとして着こなすことを要求されていた。
そのため、体型維持は必須。少しでもぽっちゃりするようならば、上司に容赦なく痩せろと言わる。
しかし、毎日立ち仕事で動いているわけだから、お腹は減るし、体力がなければ続かないから食べないわけにはいかない。
正社員になって間もないころには自主的にジム通いをして、ストイックに体型の維持を図ったのは今となってはいい思い出かもしれない。
それだけ影で体型維持をしているのだから、お客様に、あなたが着ている洋服が欲しいと言われたときには実はとても嬉しかったりする。
試着販売と呼んでいたが、自分が着ている洋服を如何に買ってもらうかは販売員の腕の見せ所でもあった。
正直、プレッシャーは常にあったのだが。
お客様の体型と洋服のサイズについて
洋服を買いに来てくれるお客様が、常に自店がターゲットにしているお客様層ばかりとは限らない。メインのお客様はそうだとしても、ターゲット以外の方は来ていけないという決まりはないのだ。
そこで、問題になってくるのが、明らかに自店の洋服のサイズに合わないお客様が来たときである。
ただウィンドウショッピングであれば、見てもらうだけなのでいい。しかし、買ってくれる気満々のときには困る。
正直本音を言えば、毎日の売り上げのためには、何でもいいから買ってほしい。たとえサイズオーバーで着るときにぴちぴちになったとしても。
が、良心が傷むことは否めない。良心と買ってもらいたい欲求の板挟みになる。
このような状況のときにはなるべくお客様に最終的な買うか買わないかの判断を委ねる。買ったとしても自己責任だと思ってもらえるように。
はっきり言えば返品されないようにである。
試着できるものは、とにかくしてもらう。
自分のサイズと洋服のサイズが合うか合わないかは、試着してもらうことで一番わかってもらえるからだ。
試着室から出てきてサイズを見てほしいと言われたら、明らかにサイズオーバーで洋服がはち切れそうであれば、やんわりとこう伝える。
「ちょっと、このあたりのこの洋服のラインがお客様には合わないかもしれないです。」と。
いつもさくさくとたくさん買ってくれるお客様が一番
いろいろなお客様がいて当然。
自分のペースでゆっくりと買う方、店員と一緒に考えて買う方、などいろいろだ。
その中でも一番有難く、本音はラッキーと思うのが、いつもさくさくとたくさん買ってくれるお客様だ。
一度きりの来店ではなく、顧客でそういったお客様は大歓迎である。たぶん他の販売職でもそうだろうけれど。
いつも自分の好みで、店内の洋服をそれこそ10点以上選ぶ、そして試着室に入って、気に入れば全部買ってくれる。
こちらの意見はそれほど必要とされない。自分の意思で似合うかどうか判断してくれる。ものすごく楽である。
そして、その方が試着室に入られている間に他のお客様の接客もできる。
個人売上の目標を設定されているときは、一人でも多く接客したい。二人以上のダブル接客が可能になる。
さくさくたくさん買ってくれる人は試着室に入れたら、ほとんど放置でかまわないのだから。これほどラッキーで楽なお客様はいない。
だから、販売員は如何にこういったお客さんを顧客にできるかが売上アップの秘訣にもなってくるのだ。
それに、そういったお客様ばかりだと、精神的にも体力的にもとても楽に仕事ができる。
一回の買い物でさくっと数十万と買われるお客様がいた日には万々歳である。